「ブランディング」と聞くと、一部の大企業や高級ブランドにしか当てはまらないと考える方も多いでしょう。しかし、ブランディングは企業規模に関係なく、ほとんどのビジネスにおいて重要なPR戦略です。

ブランディングを成功させた企業の事例をもとに、ブランディングの重要性を考えていきましょう。

「ブランド」とは、ユーザーが持っている共通のイメージや価値のことです。そして「ブランディング」は、ある商品・サービスに対して共通のイメージを持たせるための手法を指します。

ブランディングを進めることで、「～が欲しいときはこの会社の商品を選ぼう」「～をするときはこの会社を利用しよう」と消費者に選んでもらうことができます。

一見ブランドとは縁がなさそうなビジネスでも、商品・サービスが選ばれるのは、消費者がブランドという良いイメージや価値を感じているからです。どんなに小さな企業でもビジネスが成り立っていれば、何らかのブランディングされた特徴を持っていることになります。

ブランディングの成功事例をいくつかご紹介します。

国産車を手がけるA社では、万人受けではなく車好きのニーズに応えるマニアックな方針に転換。ターゲットを大胆に絞り込むことでブランドイメージを定着させ、国産車トップクラスのシェアを確立しました。

また、コーヒーを提供するB社は、顧客と接するスタッフの教育に力を入れ、快適な空間の店としてブランドポジションを確立し、メディアでの広告宣伝を行わずに成功を収めています。

このように、他社にはない「独自性」を持つことが成功に繋がる法則といえます。

逆にブランディングを怠るとどうなるのでしょうか？それは「価格競争に陥る」リスクです。

ブランドによって他社との差別化ができていない場合、顧客を引き付けるには「価格を下げる」ことが最も手っ取り早い方法です。しかし、価格を下げれば当然利益率が低下します。そのため、コスト削減のために広告宣伝費を削る、PR力が弱まる、顧客を呼ぶためにまた価格を下げる…といった悪循環に陥るケースも少なくありません。

価格ではなく、ブランドに魅力を感じて選んでくれた消費者は、他に低価格な商品やサービスが現れても簡単に離れることはありません。ブランディングを意識すれば競合他社と差別化ができ、より顧客に支持され、ビジネスを成功に導ける可能性が高まるのです。